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活動の概要

令和2年度事業報告

 1 総 括

令和2年度は新型コロナウィルスに翻弄された一年であったといっても過言ではありません。この感染症の拡大は、我が国の林業・木材産業にも大きな影響を与えました。年度前半には丸太輸出の減少や国内製材・合板工場の減産により山土場等で丸太が滞留する事態となり、素材生産を見合わせ森林整備に集中して取り組むこと等が求められました。一方で、今年に入って、アメリカ等の住宅需要の急激な拡大を受けて、輸入材の入荷が激減し、輸入材価格が高騰するといういわゆるウッドショックが起こるなど、木材の需要や価格について先の見通せない状況となっています。

このような中、3月に「森林の間伐等の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が成立し、成長の早い特定母樹の苗木等を使った再造林を促進する措置等が創設されました。また、6月には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律」が議員立法により成立し、地球温暖化対策に資するため、公共建築物だけでなく民間の建築物にも木材利用を促進することとされました。さらに、新たな「森林・林業基本計画」が閣議決定され、まさに、造林、伐採、利用、再造林といった森林資源の循環的な利用を進めていくことにより、林業の成長産業化を達成することが政策目標として位置付けられたところです。

  一方で、各地で台風や集中豪雨による自然災害が頻発しており、安全で安心して暮らせる国土の基盤を作るためにも、森林整備をしっかりと進めていく必要があります。

このため、森林整備事業予算の安定的な確保と関連施策の充実に加え、令和3年度からスタートした「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」等に基づき、森林整備に対する追加的な予算の確保を図ってまいりました。

  なお、令和2年度については、日本造林協会の活動も大きく制約を受け、例年東京で開催している通常総会や森林整備事業研修会、年末の理事会・林政懇談会等を書面やオンラインで開催することとなりました。また、日常の事務をできるだけ在宅で行うこととされたことから、当協会の事務も一部在宅で行うこととなりました。こういった制約の中で、会員の皆様のご理解とご支援の下、都道府県や市町村等関係機関のご協力を得ながら、以下の取組を行ってまいりました。

 2 総会及び理事会の開催

  新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、総会については、令和27月に書面決議により開催しました。また、理事会については、令和21117日に役員13名の出席のもとオンラインにより開催しました。

 3 政策要請活動

令和3年度予算編成に向けて、日本造林協会として関係行政機関等に対し、要請活動等を行いました。

具体的には、概算要求前及び概算決定前にそれぞれ総会決議及び政策要望により林野庁、財務省等に対し次のとおり要請を行いました。

① 令和2年8月17日 森林・林業政策に関する提案書(総会決議)に基づく要請活動

② 令和2年1118日 森林整備に関する政策提言(参考)に基づく要請活動

また、「森林整備・治山事業促進議員連盟 緊急決起大会」等に参画し、他

の林業関係団体と連携しながら、政府関係機関や関係議員に要請活動を行いました。

 

(参考)

1 林業の成長産業化に向けた財源の確保及び新型コロナウィルス対策への継続した支援

1)林業の成長産業化に資する主伐後の再造林や間伐、路網整備等の森林整備事業予算の安定確保

2)新型コロナウィルス対策への継続的な支援

2 森林の適正な経営管理への支援及び森林整備関連施策の拡充

1)「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」の延長及び地方財政措置の継続

2)伐採・再造林の一貫作業システムやICT(情報通信技術)・ドローン等の活用によるスマート林業の推進

3)森林経営管理制度の円滑な運用に向けた支援

4)コンテナ苗等の優良種苗供給体制の整備やシカ等の獣害対策等に係る再造林関連施策の拡充

5)下刈りや地拵え等の造林作業の軽労化に向けた造林作業用機械の開発・導入に対する支援制度の拡充・強化

6)大径材の利活用も含めた木材需要拡大の推進 

7)都市近郊広葉樹林整備への支援の確保

8)森林整備事業の申請や検査の簡素化、効率化に向けたリモートセンシング技術導入等の推進

3 林業就業者及び意欲ある林業経営体の育成・確保

1)地域の雇用の受け皿となる「緑の雇用」予算の拡充や林業の技能検定創設、労働安全確保対策への支援

2)意欲ある林業経営体と連携した市町村の森林整備推進体制等への支

 援

3)都道府県林業労働力確保支援センターに対する支援の充実

4 国土強靭化等に向けた安全・安心な国土基盤の確立

 1)集中豪雨等による被災森林の復旧・整備の拡充・促進と所有者負担

  の軽減

 2)本年度で終了となる「防災・減災・国土強靭化のための3か年緊急対策」後の国土強靭化に向けた予算の拡充と新たな対策の推進

 3)原発事故被害森林の再生対策の継続的な推進    


4 森林整備事業研修会の実施

令和2年1021日から22日の2日間にわたり、ZOOMを使ったオンラインによる森林整備事業研修会を開催しました。全国の会員傘下の森林組合や市町村、民間の事業体等から総勢35名の方が参加しました。研修では、次に示すとおり東京大学農学部の丹下健教授の特別講義を始め、8つの課題について講義が行われました。

5 森林整備オンラインセミナーの開催

  

  「森林の間伐等の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律」の成立や新たな「森林・林業基本計画」の樹立など森林整備に関連する施策の動きがあったことから、618日に、林野庁諏訪造林間伐対策室長ほかを招いて、初めての試みとなる森林整備オンラインセミナーを開催しました。全国の都道府県、市町村及び森林組合等から130名以上の関係者が参加しました。

 

6 森林保険の加入促進への協力   

 

近年の多発する集中豪雨や火災等による森林被害の林業経営への影響を軽減するため、

 ➀ 造林時報等への森林保険加入促進広報の掲載

 ② 森林保険加入促進パンフレットの林業関係団体等への配布

 等を行うなど、森林保険の加入促進に協力しました。

 

7 広報活動の実施

 

  森林整備技術や森林・林業関連施策等の情報を会員等に伝達、普及するた

 めに次の活動を実施しました。

⑴ 造林時報の発刊

  造林時報(208号~211号)について毎号1,800部を発刊し、森林・林業関連施策や予算情報等の提供、森林整備技術の普及等に努めました。

⑵ ホームページによる情報提供

  ホームページにより、関連予算、法案、施策の動向に関し、「会員の広場」等を通じてタイムリーに詳細情報の提供に努めました。

⑶ 造林ニュースレターの発行

  毎月初めに、E-mailを通じて造林ニュースレターを会員に送付し、その時々のトピックについて情報の共有を図りました。

 

8 森林整備関連書籍の出版

 

  森林整備事業担当者等の実務書籍として「造林関係法規集(令和2年度追補版)」を1,300部、「民有林森林整備施策のあらまし(令和2年度版)」を900部発刊しました。

 


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