ご挨拶

 日本造林協会は、日本の森林・林業の発展に貢献するため、造林や間伐等の森林整備技術の啓蒙普及や森林・林業施策に関する提言活動を行っております。
 森林・林業を取り巻く情勢を見ますと、日本各地における国産材安定供給体制の整備が進む中で国産材の自給率も次第に向上してきております。
そうした中で、木材価格は、やや値戻しの気配は見せたものの依然として低迷しており、森林・林業を巡る情勢が好転しているとは言えない状況にあります。
 ご案内の通り、国内経済は、政府の強力な経済政策の下で回復の兆しがみられるものの、森林・林業の飛躍を期待できる状況には至っておらず、厳しい現実に直面いたしております。
 こうした日本経済が回復基調にある中で森林・林業が着実に発展していくためには、森林整備や国産材の利用促進が政府の経済対策の重要課題として位置づけられ、そのための施策が本格的に実施に移されることが不可欠であります。 幸いに、平成26年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略改定2014」いわゆる「新成長戦略」において豊富な森林資源を循環利用し、林業の成長産業化を進めることが明記されました。また、そのための具体策の検討が進められていると聞いており、大いに期待を寄せるものであります。

 新成長戦略にうたわれている「豊富な森林資源を循環利用」をするためには、山側にける森林整備や路網整備を加速化するための施策の充実が重要であります。
とりわけ、現在の人工林は、高齢級の林分に偏っており、若い世代の人工林が極端に少ないという状況にあり、皆伐・再造林による人工林の若返りを図っていくことが需要な課題であります。
そうすることによって、森林資源の循環利用が進み、持続可能な森林経営の確立や地球温暖化防止への貢献が可能となると思う次第であります。
林野庁におかれましても、新たに策定された森林整備保全事業計画において森林の若返りを促進することとし、具体的な数値目標が示されており、皆伐・再造林に対する支援策が強化されることを大いに期待するものであります。

 一方、「林業の成長産業化」のためには、国産材の一層の需要拡大が図られるとともに、間伐材等の木材が森林に放置されないで有効に利用される供給体制の整備、とりわけ間伐材等の木材が安定した価格で取引される流通体制が各地域、地域において整備されていくことが肝要であり、そのための具体策が講じられることを望む次第であります。
また、TPP交渉の国内林業への影響を最小限とするための努力を林業関係団体と協力しながら続けていくことが必要であり、交渉の進展状況に応じた適切な国内林業への支援策が講じられるよう政府に対して求めていかなければなりません。

 更には、東日本大震災は、国土の強靭化が、国民の生活にとって不可欠のものであるということを、改めて認識させるものでありました。 

 森林の整備を通じて、国土の強靱化に貢献していくことは、森林・林業関係者の責務とも言え、一丸となって災害に強い国土基盤づくりに努力を傾注していかなければなりません。
当協会といたしましても、林業の成長産業化と国土の強靭化に向けての活動を続けて参りたいと思う次第であります。

 


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